お芝居つれづれときどき音楽

歌舞伎のこと、音楽のこと、いろんなこと、気の向くままによしなしごとを。

超歌舞伎2018「積思花顔競」 現地入りしてきました

2017年の超歌舞伎はタイムシフトとTVで拝見し、生で見るとどんな感じなのだろうと興味を持ち、ミクさん好き友人(歌舞伎未見)に「来年は一緒に行かない?」とお誘いしていたのでした。ボカロは全く知らない上にライブに行ったことがない私は、日が近づくに連れ、「サイリウム?ナニソレ?」とか「曲を予習した方がいいんかいな…」とか、ニコニコ動画はほとんど見たことないので果たしてイベント会場の雰囲気についていけるのか!?とか段々不安になっていたのですが。

いざ行ってみたら、最高でした…!要所要所でテーマ曲が使われ盛り上がる会場。しかしやっていることは歌舞伎ど真ん中という印象です。それがうまくデジタルと伝統的な歌舞伎が融け合って、一つのエンタメになっていました。

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最初は「お祭り」(祝春超歌舞伎賑)、舞台復帰は昨年すでに果たされていた獅童さんですが、病気からの復活を祝って差し込まれた所作事。粋な鳶頭姿が格好いい。

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29日の松竹超縁日ブースでのトークにて、詞章の「~花舞台」の後で「待ってました!」とかけるのだと的確な指導があったおかげでしょうか、降るような「待ってました!」に感激(TT)

実は事前に歌舞伎のお祭りの映像は見ていたのですがタイミングがわからなくて諦めていたので、脚本家らしい松岡さんの具体的なアドバイスに感謝。1回目は近すぎて勇気が出なかったのですが2回目は遠方席より掛けられました。初めての大向こうです。待っていた想いがいろんなひとと一緒の声になって、役者さんに直接届いて「待っていたとはありがてぇ」の台詞が続く。様式美なのですが様式以上の気持ちのやりとりがあって、込み上げるものが。

そういえば悪役の印象が強かった國矢さんもお祭りではこんなに素敵な男。

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トークでしきりにご自身の役を「ババア」と連呼していた蝶紫さん、禍々しさがいい感じでした。一昨年は蝶の黒衣とミクさんの中の人、去年は花魁(台詞なし)、で今年は台詞が欲しいと言ったら「ババア」役と仰るので「親王の乳母ですからね?」と脚本の松岡さんに突っ込まれてましたが(笑)。

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國矢さんとの悪い人コンビがイイ感じです♪

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そして、善人役の獅童さんが似合ってるのはもちろんなのですが、

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(この初音姫と安貞のいちゃーシーンはミクさんファン的にはどう見てたのでしょう(^^)すぐ邪魔が入るから短いけども。この二人のシーンてほんと短いので現地で「ご両人」の大向こうはかからなかったなぁ、かけるタイミングなかったのだろうなぁ。)

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 悪役の獅童さんがめちゃくちゃ格好いい。

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ミクさんうっかり惚れるとかないんですか…?(こら)

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ほらほーら、つい惟喬親王でもいいかなってなりませんか…?(いけません)

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こうして並べて見ると歌舞伎って本当に絵のように美しい。思わずその一瞬を切り取りたくなります(※超歌舞伎の画像はすべてニコニコ動画より)。型と衣裳から来る美しさでしょうか、演劇の中で群を抜いていると思います。衣裳も原作「関の扉」より取られているよう。樹の幹から登場するのも原作そのまま↓なのですね。

(平成20年2月歌舞伎座

この演目見たことないので最近やったのはいつかなと調べたら、2015年12月歌舞伎座でかかってました。配役が

関守関兵衛実は大伴黒主 = 尾上松緑(4代目)
小野小町姫 = 中村七之助(2代目)
良峯少将宗貞 = 尾上松也(2代目)
傾城墨染実は小町桜の精 = 坂東玉三郎(5代目)

という…!小町姫が七之助さんで墨染が玉三郎さん…!!普通は一人二役でやる役だそうですがお二人で…見たかったー!画像を探していたら、獅童さんも2010年に玉三郎さんと関の扉をやってらっしゃる。見たかっ(以下略)…あと7年早く歌舞伎に気付いていれば…

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あと、戸板倒し…!生で初めてみました。二枚の板の上に一枚の板が渡されると結構な高さ。

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一人の支えだけでバランス取って立っているだけでもドキドキするのに、かけ声とともに倒れていき、地面につく直前に飛び上がって着地。緊張感で会場がシーンとなり、成功した後の歓声。昔考えられた演出が、現代で5000人も入るホールで盛り上がれるのもすごい。考えた人は天才ですね。

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ミクさんの白鷺の精は「鷺娘」のぶっかえり後の衣裳から取られたようなデザイン。

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歌舞伎の「鷺娘」の衣装とついでに映像もちらり。36秒あたりからまさにこの拵えで舞って美しく息絶えてゆきます。

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youtu.be

鷺娘/日高川入相花王 | 作品一覧 | シネマ歌舞伎 | 松竹

楼門五三桐の石川五右衛門↓ばりの惟喬親王然り、これは古典のあれがモチーフか!ってなるのが面白いですね。台詞もそうですし、山門のデザインもそのまんま。

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ようこそ!歌舞伎の国へ 第3回「桜門五三桐」 | 歌舞伎美人(かぶきびと)

超歌舞伎のパンフに歌舞伎座のチラシも挟んでおいたらいいのに、とか。獅童さん出ないけど興味を持ってくださる方もいるかもしれないですし。幕張のホール5000席×4回=2万人。テレビなどで「歌舞伎の真似」すら少なくなって、若い人が歌舞伎を知る下地を失っているという話になるほどと思ったのですが、もしかして超歌舞伎は若い人の「歌舞伎ってこういうもの」の下地になりうるのでは。いや、もうなっているのかも。動画閲覧者は延べ21万人、4回とも見てる方もいるでしょうが千穐楽だけで9万4千人近い。歌舞伎座で25日間公演しても49100人なのを考えると、すごい数です。

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そうそう、客席の対応力に驚いたのが大膳らの闇討ちの場面。役者さん達が赤い松明をかざすのに合わせて客席でも赤いサイリウムがあちこちで…!2日目の13時の回でも結構な数でしたが千穐楽は客席一面に真っ赤なサイリウムが揺れて幻想的ですらありました。帰宅して初日13時の動画を見てみたら、カメラが映る箇所には少なくとも赤いライトは見当たらず、いつからどなたが思いついたのか、それを見た人が次は私も、と続いてあの光景ができあがったのだなぁと。國矢さんもツイッターであの光景のことに触れられており、役者さんにも印象的だったのだなと嬉しくなりました。

よく考えるとミクさんファンのひとも大膳側=初音姫と安貞の中を引き裂く方に加担したってことですけどね(^^)そういえばトークで大膳(というか國矢さん)がまた初音姫に失恋する話がもとはあったけれど稽古を経てなくなった風なお話も。脱失恋キャラ、おめでとうございます(^^)(^^)(^^)

ミクさんとの掛け合いはぴったり合うときもあれば少し間が空く時もあり、呼吸や気配のない相手と演じたり踊ったりはたいへんだろうなぁと。ミクさんの台詞をイヤホンガイドみたいにタイミング計ってGoしたら良さそうですが、技術的に難しいのでしょうか。千穐楽獅童さんがミクさんの台詞を食ってしまって、やり取りが終わった後に「…ごめんね、ミクさん」って、可愛い姿が見られて得した気分でしたが(*^^*)ミクさんが山車から降りて舞台に立ったように見えるところとか、桜の木から現れるところとかは、映像技術のすごさを感じましたねぇ。

あと、トークで「サイリウム振る合図が獅童さんからありますから」と仰るのでどんな合図だろうと思ったら、獅童さん思いっきりサイリウム2本持って登場ー!わかりやすー!!

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会場を縦横無尽に走り回る姿に、復活を実感して終演後に思わず涙が。友人の手前こらえようと思ってたのにがまんできなかったですよー。舞台復帰は去年とうになさっているし1月演舞場も拝見しているのに、超歌舞伎ではご本人も「幕張に帰ってきたぞ!」感がはんぱなくて、感慨深げに客席見まわしたりなさるし、感涙でした。

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そう、せっかく超歌舞伎なので大向こうをかけられたらと思っていたのですが芝居に集中すると案外かけられないものですね。今まではかけられる人をうらやましく思うこともありましたが、かけられない人間だったことに気づけて良かったかも。だって見得するとことか見入ってしまい、附けのあとに屋号かけようとか冷静な頭回りません…!いいタイミングでかけてくださる大向こうさんの凄さを実感しました。でも安貞復活の場面だけは万感の思いを込めて「萬屋!」とかけたら、両隣の青年(たぶんミクさんファン)もつられて「萬屋!」とかけてくれて。掛けてみたいけど周囲にかける人がいなくて今まで踏み出せなかったのかな?なんだか気持ちがひとつになったみたいで嬉しかったです。歌舞伎座ではできない体験をさせていただきました。それにしても会場全体でいくと「初音屋」のときの大向こうの分厚いこと分厚いこと…!ミクさん超人気。あ、あと鏡音リン・レンさんが出てきたときに近くの方が「お?おおお!?」て興奮したご様子、何かなと思ったら初日には出てなかったレンさん?が2日目に登場したからだった模様。制作サイド、最後まで粘ったんですね、おつかれさまです…!

これもトークで、「いろんな色のサイリウムが」と國矢さんが仰ったら司会さんが「統一した方がいいってことですね」と仰ったので「いや統一しない方が綺麗だと思います」と返してらしたのですが、確かにこの色とりどりの灯りはとても美しい。

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安貞復活後の場面は獅童さんはあちこち走り回るし國矢さんも舞台正面で立回り、蝶紫さんはL字花道で立回りしてるしで、13時の回は目が足りなくてけっこう気づかなかったので、2回目も見ておいてよかったです。次回は1回目自由席で俯瞰して見て、2回目指定席で間近で見るのがいいかな、と。2階席の時も1階にいる獅童さんが手を振ってくれたのも嬉しかったなぁ。ライブ好きの友人曰く「煽りがうまい」。彼女も初歌舞伎を心から楽しんでくれて来年も一緒に行く約束をしました。千穐楽はアンコールに千本桜もやってくださって大盛り上がり、めちゃめちゃ楽しかったです。

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サイリウム振るのはライブ慣れしてる子と一緒に行けて踏み出せましたが、でもでも、別に隣の人が知り合いじゃなくたって全体のノリに合わせて点けたり振ったりしてれば案外イケるもんですね。今までライブは行ったことがない&派手なことが苦手な性分なのに、2回目は一人で会場に乗り込んじゃった(サイリウム借りました笑)超初心者の実感です。普段は静かな音楽聴いてることが多いんですけど意外なほどめちゃめちゃ楽しめたので、そういう人もきっとだいじょうぶだよ…!

というわけで、まだ生では超歌舞伎を見たことないという方、ネットでも見たことないという方も、ぜひ来年は現地で盛り上がりましょう…!

絵本合法衢 一世一代の千穐楽

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4月千穐楽の夜の部。開演前から、最後だ、今日で終わってしまう、と緊張と動悸がしながら見始めましたが、一幕目の後半にはもう、いつものように舞台に引き込まれていました。大詰、閻魔様のシーンの幕が開いて、いよいよ終わってしまう現実を思い出して切なさでいっぱいに。頭上で合法の刀を受ける大好きな型も最後かとか、目を閉じて刀を両手で頭上にやって目を開く見得の格好良さとか、終わらないでと祈るような気持ちで食い入るように見ました。

大学様が刀を受け、もがき、とうとう倒れ、弥十郎と皐月に止めを刺される。あぁ終わってしまった。万雷の拍手の中で起き上がる仁左衛門さん。この演目に拍手を送れるのも最後。切り口上の「まず今日はこれ切り~」をこの演目で聞くのも最後。「今日は」と仰るけれどもう仁左衛門さんの絵本合法衢は二度と見られないのだと切なくなりながら、拍手を送り続けました。終わってほしくない、この時間と空間が。そう思い幕が閉じても拍手を送っていました。

正直、幕が再び開きはしないだろうと思っていました。もしかして、という気持ちもわずかにありましたが、仁左衛門さんがカーテンコールを好まないことを本や記事で読んだり、色々なお話を聞いていたので、ほぼないだろうな、と。それでも拍手をし続けていたかったのです。拍手を止めて劇場を出てしまったら本当に舞台の夢から覚めてしまう。夢から覚める時間を少しでも先に延ばしていたかった。終演後、急いで帰られた方々(遠征組の方もいらしたかも)以外は大多数の方が劇場に残って拍手を続けていたように思います。直後の終演アナウンスは拍手にかき消され、拍手のボリュームがずっと収まらずに、こうしてたくさんのお客様と一緒に拍手を送り続けられるしあわせと、終わってしまった切なさに浸っていました。帰りなさいという雰囲気になるまでは1秒でも長くそうしていたいと思っていました。

どれくらい拍手を送っていたでしょうか、孝太郎さんブログによると終演後5分ほどということでしたが、ゆっくりと幕が開き始めて客席からどよめきが。それでも油地獄の千穐楽の話を聞いていたので舞台上に仁左衛門さんがいないかもしれないと身構えていました。すると、舞台中央やや下手くらいにおひとりで座っていらして。登場してくださった!という喜びのあとに一瞬、カーテンコールを好まない仁左衛門さんはどういう気持ちでそこにおられるのか、間違っても無理に出てくださったりしていないか、と不安になりました。

が、その不安を吹き飛ばす素敵な笑顔、心からの笑顔…!演じ納めの最後の日に、大学之助様の拵えで役者・片岡仁左衛門として観客に向けてくださった笑顔に射抜かれて、しあわせいっぱいに。笑顔で左右に礼をされ、正面に向き直り「ありがとう」と祈るかのように手を合わせられ、最後に深々と礼。そして幕。感激で涙が滲みました。終わってしまう切なさを吹き飛ばすしあわせ。なんて幸福な時間に居合わせられたのでしょうか。すべてに感謝しかありません。ほかほかした気持ちを胸に、しかしそれでも離れがたくて、なるべくゆっくりと劇場をあとにしました。


帰宅して孝太郎さんブログの動画でカーテンコールの記憶を反芻ししあわせを噛みしめながら、その客観的な短さ(45秒くらい)に驚きました。現場にいた体感ではまるで刻がゆっくり流れたかのようにたっぷりと感じました。感激のあまりそう感じたのか、客席と舞台がひとつに結ばれたからなのか。舞台の魔法にかかったようです。
そうこうしていたら彌十郎さんブログにも更新が。切り口上で幕が閉じたあと、いつも通りに3人(仁左衛門さん時蔵さん彌十郎さん)で楽屋に帰り、いつも通りに仁左衛門さんの楽屋に挨拶に行かれ、そのときすでに仁左衛門さんは衣裳を脱がれていた、と。仁左衛門さんはカーテンコールを予定していなかったのですね…!それでも拍手に応えて衣裳を着直してまで舞台に出てくださった。なんてありがたいのでしょう。

孝太郎さんブログ「幕が降りてから五分後?」
https://ameblo.jp/takataro-kataoka/entry-12371426688.html
彌十郎さんブログ「熱いお客様」
https://ameblo.jp/yaju1956/entry-12371479235.html

一世一代の千穐楽に立ち会えた喜びを噛みしめながら、これからも舞台を見続けて参りたいと思います。心から、ありがとうございました。

蒼の乱@ゲキシネ

蒼の乱、映画館で見てきました。天海さんも松山ケンイチさんも早乙女太一さんも川原さんも出てて美味しい舞台!

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朝廷軍?の中にやたら殺陣上手い人がいると思ったら川原さんでしたー(><)
川原さんと早乙女太一さんが殺陣で切り結ぶの、ヤバい人対決でゾクゾクしました…!夢の対決ですねこれ…!やられて「お見事…っ!」て倒れる川原さん格好良すぎる。
太一さんと弟さんの友貴さんとの殺陣も凄い!!太一さんが二人いるような恐ろしく息の合った殺陣…最後スローモーションにしてくれるのありがたい。見えないんですもの。

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天海さんは本当に舞台上で空気を支配する人ですねぇ。画面からでもそれが伝わってきます。歌も男役トップらしい地声の響くいい声でうまい。

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蒼真の美しさに惚れ惚れし、将門御前になったときのカリスマ性、存在感にゾクゾクしました。将門小次郎よりも優れた将ということに説得力を持たせる立ち居振る舞い。

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蒼真にとってはある種の仮面なのかもしれないけれど、その仮面が恐ろしく似合っている。愛した男が敵に回っても、本当に愛したもののために揺らがない決意。

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松山ケンイチさんは、坂東武者の一本気な役柄だけあって勢いがあるのですが、勢い一辺倒になりがちなのがやや勿体ない。髑髏城風の捨之助のハマり具合、必要なところでほどよく力の抜けた良い演技を先に見てしまった分、期待度を高く持ってしまったのかも。4年くらい前の舞台なのでその分の若さゆえもあるかも。最後に自分を取り戻して覚悟を決めるところは格好よかったなぁ。あとは、もう少し前半にも蒼真と将門が愛し合っているとわかる場面がほしかったなあ。

常世王の平幹二朗さんがすごかった…!わずかな表情ですべてを伝える演技。この方、ワンピ歌舞伎でシャンクスやっている平さんのお父様だったのですね。2014年の舞台…81歳ですか??見えない…ほんとに見えない。50代くらいの方かと思って見ていました。

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ストーリー後半は、阿弖流為とかなり似ている印象。
地方で乱が起こり、都から討伐に出る。戦を終わらせるため、政治を改めることを約束させて敵の将が自らの首を差し出すも、都は約束を守る気などない。そこに最後ひと悶着あって、約束を一部守らせる。

いやはや、最後まで天海さん格好よかったなぁ…
将門の首を奪い返し、祟りを恐れさせる「将門御前」の仮面も。
その仮面も何もかも脱ぎ捨てて草原で空と風と草原の息吹を感じるラストシーンも…あのシーンは本当に、本物の空と草原がどこまでも広がっているようだった。シンプルな舞台装置がもちろんあるのだけど、なくてもあるように見えるくらい、天海さんの演技に引き込まれました。

カテコの最後、一人下手でスポットを浴びて挨拶。あの、腕で大きく綺麗に円を描く礼が美しくて。ほんとうに、舞台のひとだなあ。
広い劇場を支配する紛れもないスター。もっともっと、この方の舞台を見たくなりました。現在は修羅天魔の極楽太夫、そして夏が終わったら桜の森のオオアマ。楽しみです。

髑髏城の七人~修羅天魔~

四つ揃った仮面。
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さて、以下ネタバレありのざっくりした感想というかおもったことです~

見てない方は見てからでね~~ 
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3/19観劇直後の雑感

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4月衛星劇場pickup

録画用自分メモ。仁左衛門さん勘九郎さん七之助さん幸四郎さん猿之助さん。NINAGAWA十二夜が楽しみ!

※は以前に録画済。
◆ゆうれい貸屋(3)
中村七之助

廓噺山名屋浦里(4,10) ※
中村勘九郎 中村七之助 

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◆ゲキ×シネ『朧の森に棲む鬼』(5,21)
市川染五郎(現・松本幸四郎

◆NINAGAWA 十二夜(前編)<序幕>(後編)<二幕目より大詰>(6,13)
市川亀治郎(現・猿之助) 

米百俵(9,19)
市川染五郎(現・松本幸四郎

◆佐倉義民伝(11,24)
松本幸四郎(現・白鸚) 市川染五郎(現・幸四郎

◆ゲキ×シネ『髑髏城の七人~アオドクロ』(12,28)
市川染五郎(現・松本幸四郎

◆花魁草(16)
中村勘太郎(現・勘九郎)

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◆良弁杉由来(18,27)
片岡仁左衛門

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◆毛抜(19) ※
市川染五郎(現・松本幸四郎

ゲキシネが2本来たけどもう散々録画しちゃってるからなぁ。

2018年3月衛星劇場pickup

録画用自分メモ。仁左衛門さん玉三郎さん勘三郎さん七之助さん幸四郎さん猿之助さん他。
にざさまお誕生日にぢいさんばあさん…!保名ににざたま道明寺も楽しみです。

 

※は以前に録画済。

漢人韓文手菅始~唐人話(1,16,20)
中村七之助

◆刺青奇偶(2,22,26)
中村七之助 市川染五郎(現・松本幸四郎

スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース(4,31) ※
市川猿之助

七福神(5,16,27)
中村扇雀

◆ぢいさんばあさん(6,14)
片岡仁左衛門

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◆博奕十王(6) ※
市川猿之助

◆一條大蔵譚~檜垣・奥殿(7,23)
中村吉右衛門

◆保名(12,21)
片岡仁左衛門

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国性爺合戦 (前編) <序幕~三幕目>(後編) <四幕目>(12,27/14,28)
中村吉右衛門

怪談乳房榎(15,21)
中村勘三郎

◆菅原伝授手習鑑~道明寺(19,29)
片岡仁左衛門 坂東玉三郎(苅屋姫) 片岡秀太郎(立田の前)

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2018年1月高麗屋三代襲名@歌舞伎座

今さらながら、1月歌舞伎座の感想。ツイまとめ+勧進帳について感想を追記しました。

筋書き、グッズなど

昼の部

箱根霊験誓仇討

七福神

 

夜の部

勧進帳

山伏問答はもちろん迫力があるけれど、一番好きだったのは延年の舞。美しい。弁慶の六方の引っ込みは、イメージよりゆっくりなのだと知った。ゆっくりと力強く踏みしめて駆けてゆく。NHKの襲名特番で、引っ込んだ鳥屋の映像に思いを馳せる。力強く去った後の壮絶さ、お弟子さん?に倒れかかるように鳥屋の中で息を整える。 

染五郎さん義経の美しさは言わずもがな。花道、そして本舞台で弁慶に手を差し伸べるところ。

四天王は豪華メンバーで、ほんと強そうだなこの四天王、という迫力だった。

しかしなんといっても吉右衛門さんの富樫。この富樫の深み、決して通すまいとの迫力、しかし弁慶を慮って、明るみに出たときの死も覚悟しながら通す慈悲。富樫とはこういう人なのか。幸四郎さんが「叔父の富樫をたくさんの人に見てもらえるのが嬉しい」と仰るのも頷ける。この富樫を見られてよかった。吉右衛門さんの富樫と対峙してきた幸四郎さんが、4月名古屋で富樫をおやりになる。非常に楽しみです。

三人形

口上(千穐楽スペシャル)

 襲名の舞台、ひとつひとつ噛みしめて拝見したいと思います。