お芝居つれづれときどき音楽

歌舞伎のこと、音楽のこと、いろんなこと、気の向くままによしなしごとを。

20170801 歌舞伎と手仕事(主に笑也さんトーク)

行ってきました、歌舞伎と手仕事。気づいた時には申込日過ぎてたけどWeb申込の延長に救われ、無事に。ツイートまとめ+追記なかんじで、メモです。

https://tokyoteshigoto.tokyo/newsevent/kabukizaevent/

あ、服装はお着物でした。が、どんな色味だったか全く思い出せず…不覚… 

「猿之介って知ってるよな?卒業したらうちのところにこいって師匠が言ってるから、まぁ考えといて」と。
ずいぶん軽いですねぇと司会の三朝さんつっこむ(笑)

卒業した後は、虎の後ろ脚に抜擢されてそれが認められたそう。そういえば、最近馬の脚をやれる人が少なくなってかけにくい演目がある、なんて話もどこかで聞いたような。

次は馬の後ろ脚で、襖?を飛び越えるシーンがあり、初日空いても5日くらいまでできなかったが馬が駆ける夢を見て、これだと思い付き、前足の人と相談してやったら一発でできて、お客様から拍手。これで役者がやめられなくなった。

立回りを教えてくださる先生の話なども。国宝級の技で、辰之助さんと初詣?かに行かれたとき、神社の階段を、一段づつくるっと回って上がって見せたと聞いたくらい。
振り上げたときに切っ先がさがっていると叩かれた。後ろの人に当たると危ないからで、歌舞伎の立ち回りは切っ先を下げない。

女形はお風呂の入り方から教わった。椅子を使わず片膝立てて座り(脚を広げないため)、シャワーもをばしゃっとかけるのではなく、こう(斜めになって)お湯を受け流す?迎える?言葉は忘れてしまいましたが、そのようなことを。
今はそういうことは教えないようで、椅子に座って脚広げて「お疲れさまでーす」ってばしゃっとやってる(笑)と。

歌舞伎役者は自分の頃(?)は800人くらいいたが今は減っていて、昔は(人数比が)ピラミッドだったが、今は特に三階さんが減っている。ここくらい(花篭)の大部屋に10人だけという時もある。

舞台の失敗談。師匠と師匠の弟さんと共演したときに台詞が急に真っ白になって飛んで「△◎×*~△◎×*」と台詞にならない音を喋って…あとで謝りにいったら師匠にはどやされ、弟さんには「あんた宇宙人だったんだねぇ」って(笑)

誕生日の日に、歩数を間違えたのかくるっと花道に踏み出すところで一歩ずれていて、綺麗に舞台下に落っこちた(怪我はなし)とか。

 

こういうの見ると、着物っていいなと思うけれどなかなか手が出せないでいます。中学校くらいで着付け習う機会があったたらいいなぁ…私立の子で中学か高校で習ったと言っていたのがうらやましかった。

学校の先生は超忙しいので外部講師を呼んでとか…ムリか…

 

染色家の方のお話

 こちらも興味深かったです。歌舞伎の演目は決まってからかかるまで期間が短いので、普通は別の職人さんに頼むところを一人何種類もの仕事を身に着け、普通1か月かかる着物を10日で、深夜まで仕事をして仕上げるのだそう。

歌舞伎座と演舞場でもライトが違って見えるので難しく、演舞場で助六がかかったときに、助六の黒い着物が演舞場の赤いライトで赤っぽく見えるので、わざと青っぽい黒で染めたとか。

藤十郎さんが襲名のとき、衣装に藤が入っていて、これ10本入れられないか、と。お客様からは10本あるとはわからないけれど見えないところにもこだわられるとか。

成田屋さんの茶色(柿色)はベンガラ?という特殊な染料を使っていて、すごく色落ちしやすいけれど鮮やかな色が出るので役者さんは承知でそれにこだわられるとか。

いろんな職人さんの手に歌舞伎は支えられているんだなぁと思いました。 

落語 高座一席(春風亭 三朝さん)

初めて生で聞いた落語も楽しかったです。落語家は舞台に出ても高座に座るまでは演じない、というようなことを勘九郎さん?が仰ってたというのをどこかで見かけましたが、確かに高座に上がるまでは、素じゃないんでしょうけど素に近いなと、役者との違いもまた面白く見ました。

夏の暑い夜、日本のものにまみれて楽しい時間を過ごせました。