怒涛のことばの嵐と、走るひとびと。とにかく走る、走る、
ことばで埋め尽くして、突き上げて突き上げて、 そのテンションに少し疲れて、 これはオチをどこに持ってくるのかな? と思い始めたところで唐突に一人の役者にスポットを当てて芝居をさせる。 それまでは役者よりも言葉。もちろん 役者の力があってのものですが、ことばの力というか、ことばの物量が勝っています。 それを突如途切れさせて、ひとりにしずかに語らせる。 役者に焦点を当て、芝居に持っていく。そういう構造なのだなぁ、 なるほどなぁ。
野田さんの芝居を2つしか見ていないので、他も同じ傾向なのか、 はたまたまったく異なるのかはわかりません。
それにしても13年前の舞台、みなさん若いですねぇ。 最初の方で7染五郎さんと勘九郎さんが立会いの手本を見せるとこ ろなんか本当に速くて見えません。コマ送りして見たい。 手本にしたいって研辰が言うてるのに手本にさせない心意気(^^)それを見た研辰の「若い」って台詞が役の上だけではない感じw
獅童さんはこの頃はまだシャイな雰囲気。
お芝居自体はほとんど、3人と群衆の劇。討たれる一人、討つ二人。 とやこう言う群衆。勝手な周囲。痛烈な皮肉が見えます。流行りで言うことが変わる、その場の雰囲気で言うことが変わる群衆に押し流されてゆく登場人物たち。7染五郎さんが大変格好いい。いいお役ですね。「最近阿修羅のように活躍して…」と言われてるということは、阿修羅城の瞳の頃ですかー。