(9/26:2回目分のツイート追記)
秀山祭夜の部の感想。盛りだくさんの一夜でした。
逆櫓(ひらかな盛衰記)
逆櫓(ひらかな盛衰記)。前半の泣かせどころが一番染み入った。実は武士の樋口兼光( #吉右衛門 さん)が名乗り武士の風格を現す凄み。血の繋がりはなくとも我が子が身代わりに…と喜びながらも悲しむ複雑な感情。忠義物は大抵子供が犠牲になるから苦手なのですが、初めて泣いてしまった。
— andante (@andante_presto) 2017年9月4日
悲しみを押し隠すように、孫の形見を捨てておけと一度は言う権四郎、驚くお筆に止める樋口、侍が我が子のことで未練があっては笑われないかと問う権四郎、誰が笑うものかと答える樋口、大泣きに泣く権四郎と一同。吉右衛門さんの樋口だけではなく、歌六さんの舅権四郎、雀右衛門さんの妻お筆、仮初なれど家族皆が一同に哀しみ、喜び、やはり悲しむという複雑に入り組んだ感情があの場面に色濃く漂っていて素晴らしかった。ベテラン揃いだから生まれる雰囲気なのかもしれません。
後半、樋口と敵方大勢との立回り場面は、碇知盛の元ネタなのだとか。確かに碇が豪快に出てきていました。
若君を助けたい樋口の気持ちを汲んで「前の夫の子」と偽る権四郎、真実を分かっていて恩情をかける左團次さんの畠山重忠、恩情に報いんと切腹しようとする樋口、それを止める重忠、縄かけられて若君と主従の別れをする場面、若君の「樋口、さらば」の一言の重み。時代物、少しずつ好きになっているかもしれません。
(2回目追記)
逆櫓。2回目なのでイヤホンガイドなしにしたら、言葉がよく聞こえてわかりやすかったです。前回よりさらに楽しく、飽きずに見られました。でも初見でガイドなしは厳しいので悩ましい。
— andante (@andante_presto) 2017年9月25日
子役の槌松が #吉右衛門 さん松右衛門の膝で寝ちゃって、抱きかかえられるとこがとっても好き…。
寝ちゃってるとこは筋書にも写真入っていて嬉しい!
— andante (@andante_presto) 2017年9月25日
子役の遠見も可愛いですね。きっちり見得や立ち回りもしていて。 #逆櫓
抱っこ写真ないかなぁ…ないだろうなぁ。
今回写真を見る時間がなかったので、来月また見に行こうと思います。
再桜遇清水
さて問題話題の染五郎さん大活躍劇。ネタバレありで行きますので未見の方は見てからで。絶対ネタバレ見ないで見た方が楽しいです、いろいろ衝撃的なので!
まだ名前の通り清らかなる清玄様な染五郎さん(ポスター右)、穢れてない様が美しいです。逢引の相手に仕立てられて驚くところも可愛く(個人の偏った感想)、二人を助けるため、と仕方なく逢引相手の振りをするたどたどしさも、そして鳩の生き血を…止む無く呑むところ。ここ、結構衝撃的だと思うのです。今の世ではお坊様も肉や魚、お酒も召し上がるけれど(宗派によって違うのかな?)、舞台は戒律を守ることが当然という時代設定、戒律に厳しい高僧が、他人を助けるためとはいえ禁忌を犯す恐ろしさがあります。ただ、信仰のない人間が言うのも変ですが、宗教の色が生活からすっかり薄れ、禁忌という感覚も廃れて、この驚きが少なくなってしまっているのかな、と会場の反応を見て思いました。
浪平(ポスター左)と清玄の早変わり、気づくとほぼ常に舞台に出ているような染五郎さん。高僧からがらっと粋な奴さんに変わるのが目に楽しいです。
再桜遇清水。皆様の感想が気になり夜の部を追加。初めての花外、意外と花道の演技は十分に堪能。
— andante (@andante_presto) 2017年9月4日
前半は時代物、後半は世話物かというほどにがらり、二つの芝居を見たかのよう。 #染五郎 さんの浪平、肌脱ぎ赤襦袢に四つ花菱が映えて美しい。紺の着流しに四つ花菱も粋な雰囲気が漂い格好いい。 pic.twitter.com/pfNIl8Lin1
唐突に思い出し。 序幕だったかな?浪平 #染五郎 さんの肌脱ぎ赤襦袢での立ち回り。傘は赤、敵は白い拵えで、2色が映えてとても綺麗です。
— andante (@andante_presto) 2017年9月25日
赤い傘で菱型や山?の形を模しての見得、美しかった。 #再桜遇清水
他にも染五郎さんのいろんな拵えが見れて大変幸せ。これ写真入り筋書き買いそうな案件です(節制とは…)。
#染五郎 さんの高い声が綺麗に響く瞬間にはっとする。やはりこの方の持ち味は高い声なのだなぁ。役によっては重厚な芝居が必要だからか、よく低い位置で喋りなさるけれど高い声をもっと使うわけにはいかないのだろうか。その方が喉にも良さそうで、といらぬ心配。 #再桜遇清水
— andante (@andante_presto) 2017年9月4日
清玄のときだったか、本当に美しい声で喉に負担も少なさそうで、この声たくさん聴きたいなぁと。立役の歌舞伎役者さんはけっこう喉を詰めた感じの声を出しなさる(あれが歌舞伎らしさなのかな?)気がするのですが、喉に負担をかけない響きのある声だなと思うのは海老蔵さん。あの出し方がOKなら、もっと詰めない声で他の方もやられないのかなあと。その方が声が長持ちするのではと。
前半の清玄さまの衝撃は桜姫との口移し…袖に隠していましたが(髑髏城と違ってほんとには当たってないよ!と思う脳はおかしい)。これ、もし相手役が雀右衛門さんじゃなくて七之助さんだったら脳がスパークしてたなと妄想。
あと破戒僧清玄が花道を去る場面で、 #染五郎 さんで盟三五大切の源五兵衛も見たくなりました。小万の首を抱えて去っていくところを見たい。襲名の松竹座で(以下略)。
— andante (@andante_presto) 2017年9月4日
おいしい要素ぶち込み過ぎです、松貫四さま。 #再桜遇清水
一幕の引っ込み。蝋燭に照らされて花道を去る染五郎さんの浮き上がる色気。僧侶の面影などないほどに。揺らめく炎が印象的、本火って演出上ものすごく効果的なんだなあ。去っていくときに蝋燭も八の字を描きながら動かしているなあと小さな発見。
後半、粋な浪平さん炸裂。敵方に大金積まれて寝返り、妻と舅に縄をかけて悪ぶる、その悪い感じの格好良さが半端ない。寝返ると見せかけて敵をばさーっと切るところも、絶対「寝返る振りの計略」だって信じてたけど、やっぱ格好いいんです。
ラスト #再桜遇清水 見てきました。超良席の1等に誘惑されましたが踏みとどまり、3階Bにて。
— andante (@andante_presto) 2017年9月25日
2幕浪平で #染五郎 さんの中に #吉右衛門 さんを感じました。親分ぽいというか。最初の頃に見たときは感じなかったので、徐々に変わったのでしょうか。
初見のときは染五郎さんのインパクト強すぎて、初演で吉右衛門さんがこのお役をやったところが想像できないなと思っていたのですが、こういう感じか、なるほど、と腑に落ちた思いです。
後半の堕ちていく清玄の破戒っぷりたるや。清玄を見て #染五郎 さんの河内屋与兵衛を見たくなった。H23に演ってはるらしい。襲名興行の松竹座でやらないかな?
— andante (@andante_presto) 2017年9月4日
全体として歌舞伎の美味しい所をぶちこみました、みたいな演目でした。特に2幕以降が好き。幕見という悪魔の囁き… #再桜遇清水 pic.twitter.com/wJ367hmEsw
殺しの場面の衝撃。新清水と聞いてぎらりと光る目、表情にぞっとします。そこまで堕ちてしまうのか…。福岡貢のときの刀に操られた殺しとはまったく違う恐ろしさ。
一幕の #染五郎 さん清玄の花道引っ込み、やはりすごく好きです。3階だと少ししか見えないのでやはり一階で見るべきなのでしょうね。
— andante (@andante_presto) 2017年9月25日
大詰の庵で、清玄様の化粧、苦しむ途中かどこかで変わったような?殺される前か殺人の前か、既に不気味な化粧になっていた気が。さながら生き霊。 #再桜遇清水
落ちぶれた清玄様の形相が生きている間にも変わっていて、あれ?と。筋書写真ではそうでなかったので、これも演っていくうちに変えていかれたのかなと。
大詰でもうひとつ印象深かったこと、
— andante (@andante_presto) 2017年9月25日
清玄様の怨念こもった「新清水…?」
→客席笑
→後室を手にかける
→客席静まり返る
という現象が。ええ、まさかね、手にかけると思いませんよねー…なんちゅうストーリーですか(賛辞)。 #再桜遇清水
総括すると、いろんな染五郎さん見せちゃうよ祭りでした。この演目。
もちろん、お小姓の米吉さんと児太郎さん可愛かったなとか、きよはるの方の清玄錦之助さんも高貴な雰囲気でカッコいいなとかあるのですが、ほとんどの場面に浪平か清玄やってる染五郎さんが出てるんですもん。そりゃ持ってかれますわー。
はい、たいへん幸せだったので幕見しそうです。
11月も #仁左衛門 さん!ひゃー!
— andante (@andante_presto) 2017年9月1日
染五郎さんはまた3役、大変ですなあ。金太郎さんも出るし、10月国立に続いて11月も通う予感がするので9月の良席追加するのは少し様子見しよ…破産してしまう(安い席は確保済vv) https://t.co/SB8WtAkFx9
こんなこと言ってた舌の根乾かぬうちにね、追加しちゃったしね(節制とは…)。