お芝居つれづれときどき音楽

歌舞伎のこと、音楽のこと、いろんなこと、気の向くままによしなしごとを。

蒼の乱@ゲキシネ

蒼の乱、映画館で見てきました。天海さんも松山ケンイチさんも早乙女太一さんも川原さんも出てて美味しい舞台!

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朝廷軍?の中にやたら殺陣上手い人がいると思ったら川原さんでしたー(><)
川原さんと早乙女太一さんが殺陣で切り結ぶの、ヤバい人対決でゾクゾクしました…!夢の対決ですねこれ…!やられて「お見事…っ!」て倒れる川原さん格好良すぎる。
太一さんと弟さんの友貴さんとの殺陣も凄い!!太一さんが二人いるような恐ろしく息の合った殺陣…最後スローモーションにしてくれるのありがたい。見えないんですもの。

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天海さんは本当に舞台上で空気を支配する人ですねぇ。画面からでもそれが伝わってきます。歌も男役トップらしい地声の響くいい声でうまい。

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蒼真の美しさに惚れ惚れし、将門御前になったときのカリスマ性、存在感にゾクゾクしました。将門小次郎よりも優れた将ということに説得力を持たせる立ち居振る舞い。

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蒼真にとってはある種の仮面なのかもしれないけれど、その仮面が恐ろしく似合っている。愛した男が敵に回っても、本当に愛したもののために揺らがない決意。

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松山ケンイチさんは、坂東武者の一本気な役柄だけあって勢いがあるのですが、勢い一辺倒になりがちなのがやや勿体ない。髑髏城風の捨之助のハマり具合、必要なところでほどよく力の抜けた良い演技を先に見てしまった分、期待度を高く持ってしまったのかも。4年くらい前の舞台なのでその分の若さゆえもあるかも。最後に自分を取り戻して覚悟を決めるところは格好よかったなぁ。あとは、もう少し前半にも蒼真と将門が愛し合っているとわかる場面がほしかったなあ。

常世王の平幹二朗さんがすごかった…!わずかな表情ですべてを伝える演技。この方、ワンピ歌舞伎でシャンクスやっている平さんのお父様だったのですね。2014年の舞台…81歳ですか??見えない…ほんとに見えない。50代くらいの方かと思って見ていました。

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ストーリー後半は、阿弖流為とかなり似ている印象。
地方で乱が起こり、都から討伐に出る。戦を終わらせるため、政治を改めることを約束させて敵の将が自らの首を差し出すも、都は約束を守る気などない。そこに最後ひと悶着あって、約束を一部守らせる。

いやはや、最後まで天海さん格好よかったなぁ…
将門の首を奪い返し、祟りを恐れさせる「将門御前」の仮面も。
その仮面も何もかも脱ぎ捨てて草原で空と風と草原の息吹を感じるラストシーンも…あのシーンは本当に、本物の空と草原がどこまでも広がっているようだった。シンプルな舞台装置がもちろんあるのだけど、なくてもあるように見えるくらい、天海さんの演技に引き込まれました。

カテコの最後、一人下手でスポットを浴びて挨拶。あの、腕で大きく綺麗に円を描く礼が美しくて。ほんとうに、舞台のひとだなあ。
広い劇場を支配する紛れもないスター。もっともっと、この方の舞台を見たくなりました。現在は修羅天魔の極楽太夫、そして夏が終わったら桜の森のオオアマ。楽しみです。