お芝居つれづれときどき音楽

歌舞伎のこと、音楽のこと、いろんなこと、気の向くままによしなしごとを。

2019/5/6松之丞さん独演会@もみじホール城山

地域の会館系だったので、6~7割が講談初めてのお客様でした。
見たことがない人に手を上げてもらったあとに
「実は目が悪いんで(眼鏡をかける)もう一度手を上げてください」というオチ付き(笑)(本当に見えなかったのか、どうなのかしら?)
城山ホールで講釈台を作ってくださったそうなのですが、それを忘れてご自身のを持ってきてしまったとか。だから関東なのに大きなスーツケースだったのですね…(偶然、帰路に遭遇)

f:id:andantepresto:20190507004115j:plain

鮫講釈

最初の蒲鉾の話はどこへ?と思っていたら最後にきちんと回収されていました。なるほど。実話がもとになっている(らしい)というのも面白いです。蒲鉾にされたくないよね、鮫も。
劇中劇のように挟まれる講釈が時代やら登場人物やらがごちゃ混ぜのでたらめで「お若けぇのお待ちなせぇやし」と言ったのが弁慶!!!だとか、吹くしかないですw ←ココは歌舞伎見てなかったらピンと来なかっただろうなぁ。

鼓ヶ滝

絵本化予定だとか。元の句にいかにも直してくださいと言わんばかりの箇所があるのでおや?と思いましたが、誰も死なず悪人はおらず教訓的、絵本にぴったりですねぇ。鼓ヶ滝は現存しないというのがざんねん、見てみたかったです。
(絵本化計画中の)講談社の社名がまさに講談から来ているとは知らなかったです。あと、タンポポが昔は鼓草と言っていたことも知らず。なぜタンポポなのかと思ったら、意味があったのですねぇ。

扇の的

初めて松之丞さんを拝見したときに聞いて、また聴きたいと思うきっかけになった演目。講談はじめての方が多かったので、これがかかる気がしてました。でも2回目でも楽しい。与一16歳をどの役者さんで想像しようかな~とか思いながら拝聴。(まず幸四郎さんで妄想、16歳ならと思い染五郎くんにしてみるなどw烏帽子いいですよね烏帽子)

怪談乳房榎

歌舞伎にもなっている落語が原作の話。全部読むと2時間半かかるところをぎゅっと詰めて45分(?)で。脅す磯貝、脅されるおきせや正介の雰囲気。ポイントが絞られて面白かったですが、長いバージョンでも聞いてみたい気がしました。
それと歌舞伎版も見てみたい想いがつのり。2年前の松竹座、あの頃に遠征する勇気があれば…。うわばみ三次は歌舞伎のオリジナルキャラなのですね。
圓朝さんが作った落語には『牡丹燈籠』『文七元結』『芝浜』『真景累ヶ淵』と、歌舞伎にもなっている作品が沢山あることにもびっくり。名人過ぎて自分が得意な演目を先にやられてしまう嫌がらせを受け、他の人にやれないものを、と新作落語を沢山手掛けたという話も、すごいなぁと。


講談を4席も一度に見たのは初めてで、
「多けりゃいいってもんじゃないんですよ(by松之丞さん)」
の言葉通り、休憩前の3席目で少し集中力が切れました。木挽亭だと短いトーク+長めの講談を2席(休憩なし)、のペースに慣れていたのもあるかも。でもやはり4つの話をすべて松之丞さんで聴けたのは楽しかったです!今回の会場はちょっと遠かったですが、独演会、また行きたいです。

そしてサイン本もゲット(^^)木挽亭だと物販ないのでこういうのは初めてでしたが、会館とかの独演会だと普通にあるものなのでしょうかね。