(2回目分追記。ツイッター+ネタとか増えた気がするセリフとか。)
ちょっと時間経ってますが、見てきたメモ。ネタバレしないと感想が書きにくくて、ツイッターでネタバレは申し訳ないのでこちらに。まだ見てない、これから見る方はそっと閉じてね。
風髑髏を見てきました。わっ、これは歌舞伎だ!やられた!と感じる場面がいくつかあり。染五郎さんが新感線を現代の歌舞伎と仰ったのが肌でわかった感じです。 #髑髏城の七人 pic.twitter.com/voXpahLHQP
— andante (@andante_presto) 2017年9月18日
ありえないくらい舞台に近い席で、もし鳥の殺陣をここで見られたら意識飛んでいたなと。歌舞伎なら花横みたいな、舞台中央から離れるけど花道に役者が来るとガン見出来る的ポジション。ここで無界屋襲撃を見ると一瞬ほんとに襲われてる現場に居合わせた気分になり怖かったです。
かつ襲撃シーンが今までにない演出。無界屋は門を閉じれば簡単には破れない作りという設定。その閉じた門をあえて開けて蘭兵衛を迎え入れたら、…というところに恐怖が増します。
冷酷な蘭丸 >>>> 蘭兵衛
今回の向井さん蘭兵衛は襲撃での殺戮を楽しむ蘭丸だったので余計に恐ろしかった。蘭兵衛である自分を完全に葬り去れる蘭丸。無界の里に未練はない。悲しみはひとさしもない。
向井理さんは蘭丸に戻ったあとがめちゃくちゃよかったです。それまでは少し埋もれてる気がしたのは、本性を押し込めている不自由さゆえでしょうか。蘭兵衛の時も蘭丸としての想いは捨てきれていないのではと思わせます。 #風髑髏
— andante (@andante_presto) 2017年9月25日
蘭兵衛のときの存在感、カラーがもう少し出るとさらにいいなと。公演を重ねるうちに変わっていきそうなので、どんな蘭兵衛を見せてくれるかまだまだ楽しみです。
2回目、最後の機会の風髑髏を。
— andante (@andante_presto) 2017年10月1日
向井理さん、心に蘭丸という修羅を飼ったままの蘭兵衛ってのが色濃くなっていて好きでした。心情が前回より固まって来た感じ。「お前たちを心配させるようなことはしないよ」と太夫を抱き締めるのも、安心させる方便でしかないのを強く感じた。 #髑髏城の七人 pic.twitter.com/wwcR1nMF3h
大阪の指揮を執るのはお主だと天魔王に言われたときに、もう蘭丸の顔が覗いている。戦いを前に嬉しげなんだ。それを慌てて打ち消す蘭兵衛…。
— andante (@andante_presto) 2017年10月1日
口移しされる前に蘭兵衛は盃に手を伸ばして、夢見酒を飲まなくたってもう心は蘭丸の方が勝っている。 #風髑髏 #髑髏城の七人
歌舞伎み溢れる捨之介
#風髑髏 思い出しつつ感想。松山ケンイチさん、ちょっと含みのある斜に構えた雰囲気が着流し捨之介に似合っています。
— andante (@andante_presto) 2017年9月25日
彼の「がらじゃねぇやぁ」が物凄く歌舞伎っぽい。阿部さん捨と台詞同じなのですが、松山さんは歌舞伎だぁー!って感じが。言い回しや見得の切り方のせいでしょうか?
他に、歌舞伎!と思ったのは、天魔王のマスクを取って顔を見せて、あっ早変わり!というシーン。二役なのを楽しみにしてたけどそこは予想していなかったので、わ、やられた!って思いました。
あと、松山ケンイチさんの捨之介カッコ良さよ(今更)。前回はたぶんサダヲさん捨の可愛さが忘れられなくて気づいてなかった(重症)けど、松山さん捨めっちゃ格好いー。なにがてうまく説明できないのですが、ポーズの決まり具合や言い回し、表情かな。雄弁。 #風髑髏 #髑髏城の七人
— andante (@andante_presto) 2017年10月1日
がらんどうの天魔王
松山さんの天魔王は、殿がいなくなって殿の足跡を追うしかない、自身は空っぽの天魔王だという気がした。蘭丸を望むのも殿が蘭丸を寵愛していたからでしかない。「殿がいなくなって一番こたえてるのはお前だ」っていう、捨之介の言葉が全てを表している。 #風髑髏 #髑髏城の七人
— andante (@andante_presto) 2017年10月1日
あ、口移しシーン、天魔王が蘭兵衛に口づけてから、改めて盃をあおり、覆い被さって口移ししていてびっくりしました。なぜ先に口づけた…!?と一瞬見間違えかと思ったくらい。襲われてる感も強し。殿を慕う蘭丸らしさを強く出すため…?いやー混乱した。→2回目見たときもそうだったので勘違いではないっぽい。天魔王が欲しいのは蘭丸、というのを印象付けるためでもあるかな。でもそれは天魔王の感情ではなく殿の感情、という気がします。
可愛い極楽太夫とやんちゃな紗霧
田中麗奈さんは可愛い系太夫ですね。戦う時の新撰組みたいななりが似合う太夫。だがアオの高田聖子さんのときの太夫っぽい演技/演出でそこはしっくりこない。ニンにないという感じかな。蘭兵衛とは仲間意識?と思いつつも太夫の方には恋心もあった模様。蘭兵衛の方は大事に思ってたけど恋愛ではなさそう、殿をまだ心の奥底で慕っているから。
田中麗奈さんの極楽太夫、だいぶこの方の太夫の色になってきた気がしました。荒武者隊とのわちゃわちゃしたやり取りでも大袈裟に(ネタっぽく)崩し過ぎず可愛い系路線のままの方が似合っていると思う。 #風髑髏 #髑髏城の七人
— andante (@andante_presto) 2017年10月1日
無界の女たちを殺された悲しみがもっと伝わるといいが、早い段階で見たのでまだ少し板についてない印象。ラストシーンの去る場面はとてもよかった。あの場面は芝居が出来上がってる感じ。
→2回目見たときは、無界の女たちの名前を呼びながら髪の束を重ねていくところも、悲しみがひしひしと伝わってきました。とても良かったです。
可愛い系太夫だけどアカドクロと違って、紗霧とキャラ被ってなかったのが良いですね。岸井ゆきのさんの紗霧がさらにちっちゃくてすばしこくて、可愛いよりやんちゃな感じがあったからかな。側転したりと身体能力が高くて楽しい紗霧。
風の沙霧はまだ松山捨之介に恋愛感情抱いてなさそうだけど、3年後くらい?徐々に捨之介の格好よさに気づいて惚れてくれるんじゃないかな…!(願望) #捨と沙霧をくっつけたい #風髑髏 #髑髏城の七人
— andante (@andante_presto) 2017年10月1日
というか風の沙霧は初恋もまだっぽい。
— andante (@andante_presto) 2017年10月1日
あ、てことは捨之介が初恋の人になれるチャンス!?おいしいなそれ。
(…ちょっと落ち着こうか) #捨と沙霧をくっつけたい #髑髏城の七人 #風髑髏
瞬尾
敵役では、毘羯羅の瞬尾、村木よし子さんがとてもよかったです。死ぬシーン、天魔王を支えてきてその意図に頷いて幸せに死ねる腹心の部下。見てる側は悲しいけれど、あの演出は今までで一番好きでした。殺されるけど不幸じゃない。ちょっとるろ剣の由美を思い出します。
あと、たぶん安底羅の猿翁かな?可愛い猫(のぬいぐるみ)肩に乗せて出てくるのに萌えました。猫ですよ猫!そのまま戦うんですよ!オオアマがイルカしょって出てきた以来の衝撃だわ。
歌舞伎ファンとしては猿翁って役名にも反応しちゃいますけど、偶然ですかねえ…?
狸穴治郎右衛門、贋鉄斎
生瀬勝久さんの狸穴治郎右衛門がいい!やっぱこの方いいですねー!芝居が出来上がっていて安定感があります。どこを切り取っても違和感がないです。
兵庫の「くんろ」シーン。鳥は合いの手がサダヲさんでしたが、えっこの面子で誰が回収するの、橋本じゅんさんかな?と思いきや、生瀬さんが「引っ張れば引っ張るほどあとに残される我々が辛くなるんだよ!」て笑
— andante (@andante_presto) 2017年9月25日
あー!生瀬さんがいたー!よかったー!
という気持ちに(^^) #風髑髏
あと無界屋で荒武者隊のダンス見て「我々は小劇場のオタ芸を見に来たわけではない」って~。小劇場ネタが入るとなんかうれしくなっちゃうのはなぜ。
ちなみに先日のくんろタイムは
「くんろい魚が…いっぱい…見てごらん…」て川を指差しながら(笑)
(2回目のくんろ)
本日のくんろコーナー
— andante (@andante_presto) 2017年10月1日
(兵庫)くんるっとした男は好き?髪をくんるってしようかと思ってるんだ…
→(結構長く引っ張って太夫が笑って後ろ向く)
→(兵庫)薬のんでくる!(逃)
→(生瀬さん)毎回変えなくていいんだよ!
優しさ笑 でも毎回変えるんだろなー #風髑髏 #髑髏城の七人
最初、何言ってるかかなり意味不明でえ?って空気に(笑)
贋鉄斎のとこは橋本じゅんさんが一人でおかしなことをするコーナー。捨と掛け合いがあったらもっとよかったけど、鳥の掛け合いは捨が阿部サダヲさんだからできたのですよね。風を見ながら鳥が懐かしくなっている…さみしい…サダヲさん…。 #風髑髏
— andante (@andante_presto) 2017年9月25日
贋鉄斎、BGMにO mio babbino caro(私のお父さん)なのです、イタリアだからってなぜこのチョイス。しばらくはこの曲きくと桜の森を思い出してしまう。あと曲にひっかけて贋鉄斎が誰か(兵庫兄にだったかな)に「お父さん!」言うてましたぞ。捨之介には「今の名前は…L(エル)?」とか言うしね!デスノじゃないよ!躊躇なくぶっこんで来るなあ。
ラストシーン、贋鉄斎のことで気づいた衝撃。羽織ってるグレーの汚れた感じのマント?にイタリアの国旗が複数縫い付けられてた…前回気づかなかった。めちゃイタリア推しやね。 #風髑髏 #髑髏城の七人
— andante (@andante_presto) 2017年10月1日
あと、初対面の兵庫に刀の扱いを叱るとき、怒るっていうより優しく諭す系に変わってて怪しさが増してたー!刀に謝らせる回数も増えてたような。
その他演出全般
役者の歌はなし、ダンスは少しあります。殺陣はやはり鳥のインパクトが強すぎて何者にも勝てません。動きを出すために回転舞台を活用して移動しながらの殺陣も多いのが新たな工夫?蘭兵衛さんはいっそもっと刀の殺陣を減らして鉄砲撃ちまくった方がよかったかも、2丁使いにするとか。当時の火縄銃じゃ現実的じゃないのでしょうか。
脚本はアオもアカも鳥も入っているし風オリジナルの部分も。二役Ver.なので台詞はアオの要素が強いような。裏切り渡京ではなく三五なのはアカっぽい、でもナルシスト(鏡が友達)設定ではなかった。かまいたち剣もアカ。初演、1997年版、ワカ、花は見ていないのでそこからのがあるかは不明。花見ておけばよかった、見比べたかったです。
(○○版の演出だね、と考えるの、歌舞伎の「○代目○○の型」だねというのと似ている、とふと思う)
一人二役のときは天魔王さまは捨之介と勘違いされるのがとぉっても嫌みたいですね。アオドクロでの「捨之介…?この私がか…!?」の一連の台詞が大好きだったのでそこが入っていてうれしい。一人二役だとやはり紗霧が「捨之介に裏切られた」感のリアリティが強くてショッキングで好き。「正体が知れたのでは都合が悪かろう、お主に変わってこやつらの首はねてやるわ」はなかったなあ。あれも酷くて好きなのですが。
捨之介が紗霧にべたべた触るところは「まだまだだな」的な表現、食べ頃発言ではなかったですね。「あと3年したらなんちゃらで大丈夫だ!」的なことは言ってました。あとね、触り方が染五郎さん捨に比べるとやらしくない(笑)。下心の(少)ない確認?そういえば無界の女たちにも色気振りまかないですね、風の捨之介。
さて、あと1回見に行けるので、その時にまた全体の芝居がどう変わっているかが楽しみです。
増えてた/変わってた台詞(たぶん)
(1)捨が正気を取り戻して、抱きつかれてべたべたして沙霧に傷のとこ殴られたあと、
捨「痛いのは生きてる証拠」
が追加されていた気がします。
(2)ラストシーン、沙霧が捨に抱きついて傷にあたって痛がって、さらに抱きつこうとして(捨)もういい、もういい、のあとに
捨「お前刺してんだぞ!」
沙霧「痛いのは生きてる証拠」 の台詞も増えてました。
(3)「生き地獄」→「涙の川」(かも)
無界屋に着いて太夫たちが去った後、太夫のことを捨が「生き地獄を見てきたって顔を」兵庫「生き地獄?」って表現していたのが、
捨「涙の川を渡ってきたって顔を~」
兵「涙の川ぁ?」に変わってた気がするのですが、風は元からかもしれない…記憶曖昧。戯曲読みたい。
今後も色々変わっていくんでしょうね。もう私は風を見られないのが切ない…皆様のレポでしのぎたいと思います。
(以下記録用、キャスト表)
#風髑髏 のキャスト表も。パンフ買わなくてもちゃんと全員のお名前わかるの、いいですよね。 #髑髏城の七人 pic.twitter.com/lv2DP9uK3w
— andante (@andante_presto) 2017年9月26日