お芝居つれづれときどき音楽

歌舞伎のこと、音楽のこと、いろんなこと、気の向くままによしなしごとを。

201711月@歌舞伎座

今さらながら去年11月の感想を。思い出しつつ。

昼の部

鯉つかみ

舞踊の要素も多い演目でしたね。ちょうど、舞踊体験で振りの説明を受けた後だったので振りにも注目できて面白かったです。

奥州安達原

 

雪暮夜入谷畦道 直侍

菊五郎さんがめっちゃ格好よかった…!声がイイ…!堅気じゃない感じのお役がめちゃくちゃ似合う。惚れる。ただ、ストーリーはほぼ進まないので3つ目だと集中力が持たないかもしれません。 ちょっともったいなかったな。

夜の部

仮名手本忠臣蔵5、6段目

仁左衛門さんの勘平を初めて見ました。ことばになりません。ことばにならないというのが主な感想です。

後半、浅黄色の衣装の美しさがまた悲劇を際立てています。最後のシーン、彦三郎さんの弥五郎が小さな声で「後のことは…」と言っているのが聞こえました。後のことは任せろ、なのか。仇討は必ず成し遂げるから、安心していけ、と。 

新口村

扇雀さんの梅川の美しさと健気さ。平成中村座では封印切で忠兵衛の方をやってらしたので不思議な感じです。この方はほんとに兼ねる役者さんですね、どちらも本役という感じがします。今回の忠兵衛は藤十郎さん、11月の時点で85歳。その年齢まで舞台に立ち続けられることに驚きます。そして歌六さんの孫右衛門。顔を見たら我が子を捕えなければ養い親に申し訳が立たないという想いと、会いたい気持ちと。それを何とか叶えようと目隠しして触れさせることを提案する梅川、触れてしまえばもうたまらず目隠しを取る孫右衛門…。

幕が下りたあと、こんな一コマも。

そういえば扇雀さんも藤十郎さんのお子さんと知ったのがこのときのイヤホンガイドでした。鴈治郎さんだけだと思ってました。でも扇雀さんが扇千景さんのお子さんなのも、藤十郎さんと扇千景さんがご夫婦なのも知っていたので、なぜ線がつながらなかったか不思議です。

大石最後の一日

冒頭、囚われの身ながら染五郎さんの十郎左が風流にも花を活けています。その凛とした姿に釘付けに。(なぜか舞台写真はなかったですが。勿体ない)

あの瞬間の感覚は忘れられません。

大石最後の一日は、たしか当時の幸四郎さん(2代目白鸚さん)が選んだ演目ということでした。いろんな意味を込めて選ばれた演目なのだなあというのが、台詞の端々に感じられます。

「身が一生の言葉はないか、あれば聞きたい」

「『初一念を忘るるな』と申します」

「内記、一生忘れないぞ」

「一同、名残惜しいのう」

幸四郎さん大石の器の大きさ、染五郎さん十郎左の若者ぶり、金太郎さん内記の気品。相手役の児太郎さんのおみのもすばらしかった。おみのが、自分の家を再興させないことが嘘を真実にすること、の意味が一度目はわからなかったのですが、二度目に見てようやく、十郎左が真実婚約者になったのなら、仇討に加担した者の関係者としてお咎めは免れないので再興はできない。また、十郎左との愛情が真実なら、別の婿を取って再興することもできない。ということなのかなと思い至りました。

11月歌舞伎座は吉例顔見世というだけであって充実したフルラインナップぶりでした…!普段なら真ん中に入るであろう軽めの舞踊もなく、円熟した芸を一身に浴びる、そんな11月でした。

フランス人間国宝展@東京博物館 表慶館

今さらながら、11月に見た展覧会について。

そういえば、茶碗には宇宙がある、というような表現を何かで見かけて、茶碗をまじまじと見たこともなければ茶の湯を嗜んだこともなかったので大袈裟に感じていたのを思い出します。いざ見てみたら、ほんとうでした。実物を見るのはだいじなことですね。

陶器にはまるひとの気持ちがわかってしまった時間でありました。

 

他に、傘の展示もけっこう好きでした。いろいろな国がモチーフになっていたり。オレンジの傘がやはりお気に入り。雨の日が明るく過ごせそうで。

それから扇子の展示も。折り紙に発想して、開くと飾りが立ち上がるらしいものもありましたが、扇子は華美なものよりもオーソドックスな枠の中で工夫されているものが好みでした。ちょっと変わった扇子は、開いたり閉じたりする映像があったらよかったかもしれません。扇子は開くときの動きも含めて美しさが完成するという気がします。

 

購入したい場合は問い合わせをとあり、工芸品なので一応購入できるらしいです。あの茶碗には憧れがありますが、お値段一体いかほどでしょう。茶道の嗜みもないので憧れにとどまるところです。

2018年1月衛星劇場pickup

録画メモできた…!高麗屋三代、勘三郎さん勘九郎さん七之助さん仁左衛門さん梅玉さん。HDD足りんがな。てかなんで元日にそんな集中さすのーー

◆「歌舞伎NEXT 阿弖流為アテルイ〉」(1)
市川染五郎 中村勘九郎 中村七之助

◆『朧の森に棲む鬼』(1)
市川染五郎

◆『髑髏城の七人~アオドクロ』(1)
市川染五郎

◆『阿修羅城の瞳2003』(1)
市川染五郎

◆盲長屋梅加賀鳶~加賀鳶(1,12,23)
松本幸四郎 片岡秀太郎 市川染五郎 中村梅玉

◆忍入舞台裏染色~市川染五郎プレゼンツ歌舞伎座の秘密(前篇)(2,12,29)
市川染五郎

◆門出祝寿連獅子(2,11,24)
松本金太郎 市川染五郎 松本幸四郎 中村梅玉

◆彦山権現誓助剱~毛谷村(3,11,29)
市川染五郎

義経千本桜~すし屋<字幕付>(4,22,31)
松本幸四郎 片岡秀太郎

◆幻想神空海(5)
市川染五郎

◆元禄忠臣蔵~大石最後の一日(24)
松本幸四郎 市川染五郎

◆梶原平三誉石切(8,17,26)
八世松本幸四郎(初世白鸚) 6代目市川染五郎 十七世中村勘三郎

◆籠釣瓶花街酔醒(9,25)
八世松本幸四郎(初世白鸚) 十三世片岡仁左衛門 中村歌右衛門

◆壺坂霊験記(10,19)
中村七之助

◆伊達娘恋緋鹿子~櫓のお七(18)
中村七之助

◆高時(18,30)
中村梅玉

◆青砥稿花紅彩画~白浪五人男(前編) <序幕>(後編) <二幕目・大詰>(15,16)
中村勘九郎(十八世勘三郎) 中村七之助 片岡仁左衛門
勘九郎(十八世勘三郎)の弁天小僧、仁左衛門の日本駄右衛門ほか)

◆吉例寿曽我(19)
中村梅玉

 

おや今月は玉三郎さんがいない。

2017年振り返り 見た演目リスト(歌舞伎)

歌舞伎を見始めたのが去年の11月なので、今年見た演目はすなわち初めて見た演目です。数えてみたら99演目ありました、びっくり。そしてタイトルだけでは内容が思い出せないのがちらほらありました、びっくり(こら)。

 

将軍江戸を去る
大津絵道成寺
伊賀越道中双六
井伊大老
傾城
松浦の太鼓
猿若江戸の初櫓
大商蛭子島
四千両小判梅葉
扇獅子
門出二人桃太郎
絵本太功記
梅ごよみ
明君行状記
義経千本桜 渡海屋・大物浦
神楽諷雲井曲毬 どんつく
双蝶々曲輪日記 引窓
けいせい浜真砂
助六由縁江戸桜
醍醐の花見
伊勢音頭恋寝刃
一谷嫩軍記 熊谷陣屋
傾城反魂香 土佐将監閑居
桂川連理柵 帯屋
梶原平三誉石切
義経千本桜 吉野山
新皿屋舗月雨暈 御殿~床下~対決~刃傷
壽曽我対面
伽羅先代萩
弥生の花浅草祭
名月八幡祭
御所桜堀川夜討 弁慶上使
鎌倉三代記
曽我綉侠御所染
一本刀土俵入
矢の根
加賀鳶
連獅子
秋葉権現廻船語 駄右衛門花御所異聞
刺青奇偶
玉兎
団子売
彦山権現誓助剱 毛谷村
仮名手本忠臣蔵 道行旅路の嫁入
極付幡随長兵衛
ひらかな盛衰記 逆櫓
再桜遇清水
沓手鳥孤城落月
漢人韓文手管始
秋の色種
湧昇水鯉滝
奥州安達原
雪暮夜入谷畦道 直侍
仮名手本忠臣蔵 五、六段目
恋飛脚大和往来 新口村
元禄忠臣蔵 大石最後の一日
源平布引滝 実盛物語
土蜘
らくだ
倭仮名在原系図 蘭平物狂
夢幻恋双紙
恋飛脚大和往来 封印切
お祭り
義経千本桜 川連法眼館
弁天娘女男白浪
仇ゆめ
氷艶
毛抜
鬼一法眼三略巻 一條大蔵譚
霊験亀山鉾
坂崎出羽守
沓掛時次郎
妹背山婦女庭訓 三笠山御殿
太刀盗人
夏祭浪花鑑
二人道成寺
再春菘種蒔 舌出三番叟
盟三五大切
稲舟
鷺娘
棒しばり
藤娘
ワンピース
二人椀久
良弁杉由来 二月堂
俄獅子
人情噺文七元結
 
以上99演目。
この中で複数回かかったのは、対面2回、渡海屋・大物浦2回でした。
 

個人的ベスト10

 

 

人別に見た記録(歌舞伎以外も)

 

年末年始のテレビ録画メモ(歌舞伎)

自分用に録画用メモ。ようやく整理。(色々漏れてたので12/28追記。愛之助さんは追ってないけど録画見てよかったので。/12/31追記/1/5追記
----------------
仁=仁左衛門さん
猿=猿之助さん
勘=勘九郎さん
七=七之助さん
染=染五郎さん
玉=玉三郎さん

愛=愛之助さん

獅=獅童さん

海=海老蔵さん

全=すきなひといっぱいみんな
----------------
(仁染)12/29 17:00-18:00 演芸図鑑スペシャル対談集@NHK総合

(愛) 12/30 0:00- 1:00 SWITCH ヒャダイン×片岡愛之助@Eテレ
(猿) 12/31 14:00-15:55 美空ひばり生誕80周年(再)@BSフジ

(全) 1/ 1  9:45-12:30 俳優祭(再)@Eテレ
(勘七)1/ 1 12:30- すごいぞにっぽん!古典芸能・最新形@Eテレ
(染) 1/ 2 18:30-23:00 しゃべくり007 @日テレ

(染玉)1/ 2 19:00-21:30 こいつぁ春から @Eテレ

(玉) 1/ 2 21:30-22:20 板東玉三郎が愛した女 @Eテレ
(猿) 1/ 2 22:00-22:50 発掘!お宝ガレリア
(染) 1/ 3 21:00- 高麗屋三代の春@Eテレ

(染) 1/ 3 21:00-23:30 私が嫉妬したすごい人 @フジ

(勘七)1/ 4 13:45-15:00 座・中村屋@フジ
(玉) 1/ 4 17:00- ニュースシブ5時@NHK総合
(染) 1/ 5 20:00-23:30 ぴったんこカンカン@TBS

(獅) 1/5 21:00-23:09 金スマスペシャル@TBS
(染) 1/ 6  7:30- サワコの朝@MBS
(染) 1/ 7 13:55- 金太郎襲名特集@テレ朝

(染) 1/ 8 12:00- 徹子の部屋 @テレ朝

(海) 1/ 8 22:00-23:30 市川海老蔵に、ござりまする 2018@日テレ
(染) 1/12 20:54- ニッポンのミカタ @テレ東

(七) 1/12 23:15- A STUDIO @TBS

(玉) 1/12 23:00-23:54 にっぽんの芸能 @Eテレ
(勘七)1/14 18:00-19:55 勘三郎が遺したもの~ 中村勘九郎七之助 古き芝居小屋を巡る旅@BSフジ 

 

これに衛星劇場高麗屋特集が加わるわけですよ?HDD足りないよね…

衛星劇場1月録画メモは↓

andantepresto.hateblo.jp

20171211高麗屋三代襲名お練り@浅草寺


f:id:andantepresto:20171214080323j:image
36年後のために保存。

お練り初参戦

右も左もわからないなか、まだ今のお名前でよい、とフォロワーさんからアドバイスをもらい、意気揚々とお練り会場へ向かいました。

まず雷門前からスタート。すでに人がいっぱいで正面からは諦めサイドから。

お練りはかなりゆっくり歩くので、頑張れば間近で拝めるチャンスはけっこうあります。(何度も移動しました。しかし動いているのでいい写真撮るのは難しい)

本堂前でおひとりずつご挨拶。

ご挨拶が終わるとご祈祷へ。40分ほどでしょうか。報道関係者だけが入れる模様。

終わった後は本堂右手階段を下りて囲み取材。報道のカメラが壁となり隙間からしか見えませんが。お三方ともけっこう色々答えてらっしゃる風でしたが(声は聞こえませんでした)ニュースでは幸四郎さんインタが少し流れたくらい…どこかフルで流してください、切に。

囲みが終わると関係者の方々と記念撮影。(1)鳴り物囃子方の方々と(2)浅草商店街(観光協会だったか?)の方々と(3)高麗屋一門の皆さま、の3回だったかな。

白黒にすると美麗度が際立つことを教わり試してみた…
f:id:andantepresto:20171214080314j:image

ほんとだ…!

 

さて今の名前呼びでよいことまで確認して向かったのですが、

とゆーヘタレなのでした。 心の中では呼んでたからいいや…!(待て)

ファン撮影の美麗写真集

まとめてくださったそぼろさん、ありがとうございます!サムネイルもそうですが、金太郎さんのあまりに麗しい写真がいっぱいです。命がたりないです。

浅草寺お練り対策

初お練り参戦だったため、てらぴーさんのツイートに大変お世話になりました。コメントの元ツイを辿って頂くと大変詳しいお練り対策を確認できます。また浅草でお練りがありましたらぜひご参考に(^^)

さて、次は金太郎さんのお子さんの初舞台お練り待ちでしょうか。金太郎さんは今12歳、何年後かなあ(気が早い)。

他の襲名イベント(予想)

お練りマスターてらぴーさんより、

御園座まねき上げ

博多座船乗り込み

大阪松竹座船乗り込み

はあるでしょうとコメントをいただいたので、こりゃ大変だと思い(笑)船乗り込みの日程を予想してみました。

博多はさすがに厳しいですが、大阪行きたいな…。それまでにいいカメラを修理しておきたいなあと、すっかりお祝いイベントにはまってしまったのでした。

20171212玉三郎さんトークショー@山野楽器銀座本店

CD「邂逅」発売記念のトークショーに。司会はCDをプロデュースした高橋まさひとさん。玉三郎さんは濃いグレー地にストライプのスーツ。同色系の細目のネクタイ(白い模様入り)、といういでたちでご登場。

(でも玉三郎さんの弁天小僧はレア過ぎて、有名な文句だけど聞きたいと思ってしまった私。)

越路さん追悼コンサート

「2月だか3月か歌舞伎座幸四郎さんと一緒で、何をするのと聞いたら話をすると。でも越路さんの思い出を話すだけでは時間が足りない(余ってしまう)。」

「28日が俳優祭の日で、俳優祭を欠席するわけにはいかないから、ちょっとだけ出演して。」(コンサートは幸四郎さん28日夜、玉三郎さんは29日夜にご出演。幸四郎さんは俳優祭は昼の部だけ、模擬店と輝夜姫で「謎の男」としてちょこっと出演してらしたみたいですね、たしか。)

僕からは歌いますとは言えないんです、とも仰っていました。

「宝塚の想い出としてもう一曲、宝塚の皆さんと歌うことを提案しました。1曲歌ってくださいとお願いされたのに結局2曲歌います、ということに(笑)。」

ペギー葉山さんとはコンサートで初めてで、それまですれ違いもしなかったそうです。玉三郎さんの手を握って、「歌い継いで行ってください」と仰るので「一緒に歌っていきましょう」とお伝えしたそう。「あのあと亡くなられてしまったけれど…」と少しさみしげに。83歳だったのですね。

生音へのこだわり

ヤマハホールのコンサートでも、PAを極力なくして、楽器の持つ本来の音が届くようにと玉三郎さんが要望されたそう。
「空間の返りで自分の声量をコントロールすることが染みついているので、(スピーカーで大きな音で)返りがあると、それがお客様に届いている響きだと勘違いして、こんなふうに(小さい声でワンフレーズ歌う玉三郎さん)してしまうんです。」と。生の声で勝負する舞台人の気質をひしひしと感じます。

高橋さんから「歌舞伎座に見に行って、生音でいつも踊ってらっしゃるのだなあと。テンポはどうなるんですか?」との問いかけに、
「速めたいときは少し速めに足踏みを、遅くしたいときにはもたれると(楽器も)もたれてついてくる。立三味線が速くなりやすい人なのか遅くなりやすい人なのか理解しておくことが大事。速くなる人なら、2番手に『引っ張って』と言っておく。」のだそうです。なるほど…!アンサンブルのよう。

「〇〇ちゃん速くなるたちでしょう?」(たぶんバンドのどなたかのことかと)と仰り、楽器が変わっても、聴き取り、感じ取りの敏感さは変わらないのだなあと驚きました。「技術がある人は速くなりやすいんだけどね」とフォローも忘れない玉三郎さん。 

良い歌とは

トニーべネットやナトゥキングコールを引き合いに出され、良い歌は何が違うかを語ってらっしゃいました。(曲名も仰ってたのですが覚えられず無念…) →tama☪︎さんよりそれぞれ「いそしぎ」「アンフォゲッタブル」と教えていただきました!感謝!

曲を聴いたあとに(聴き手に)何が残るかを自分なりに考えている、とも。

(高)「玉三郎さんの歌はすこし引いて第三者が「こんなことがあった」という風に歌っているように感じました」

(玉)「男が女の歌を歌うのは難しいんです。引いたところで「こういうことがあった」と歌うと、べたべたせず、いやらしくならない。越路さんも男役でらしたから、少し引いたところで歌うことができたのではないでしょうか。」

語り部のスタンスですね。

スターダストを例に口ずさみながら、「(オケの)アレンジでも聴き終わりに何が残るか、曲をよく理解してオーケストラがついている。あの黄金時代にしかなかったもの」というようなことを仰っていました。

今度のNHKホールのコンサートはオケが26人と!豪華! 行ったことのないホールなので音響がわかりませんが、楽しみです。

「愛と哀しみのルフラン」

(高)「岩谷さんが一番おつらいときに書かれた本で、人生は哀しみのルフラン、と書いてらっしゃるのだけれど、あとがきで玉三郎さんが『人生は出会いと喜びのルフラン』と書いているのを大学時代に読んで感激した。」とのエピソード。
(玉)「越路さんは若くして亡くなられたけれど、ああいった華やかな職業は、そういうのもありかな、と思うんです」

華やかに開いて、ぱっといなくなる、というような、もう少し表現は違ったのですが、玉三郎さんの死生観が垣間見えたような気がいたしました。この本は読んだことがないので、読んでみたいです。

ルフラン=フランス後でリフレイン(refrain)と同じ意味だそう。愛と哀しみを繰り返していく、ということでしょうか。切ないタイトル。 

岩谷(時子)さん「毛皮を着なさい」

岩谷さんからは色々なことを教わったそう。「衣裳で数十万数百万、もしかしたら数千万の衣装を着るかもしれないんでしょう。毛皮を来て置いておけるくらいの役者になりなさい」と仰ったとか。「毛皮がだいじなわけではなくて、当時は毛皮だっただけなんですけれど、そういうようなことも教えてくださった」と玉三郎さん。

それだけ居住まいに余裕や品格のある大きな役者になりなさいということかな、と解釈しました。

 

楽しいお話の中、30分のトークショーはあっという間に終わりの時間に。
(高)「今日も歌舞伎座夜公演の前に、ありがとうございます」

(玉)「公演中はあまりこういうことしないんですけれどね」
年末まで続く公演の合間に、素敵な時間をくださったことに感謝です。年明けも1月は松竹座、2月3月は歌舞伎座、お休みが本当にないですね。どうぞお身体はお大事に…!

そうそう、登場の際は舞台近くにある下手扉からだったのですが、はける時は客席後方の観客と同じ出口から出ていらして。もしかすると、後ろのお客さんにもサービスの気持ちでそうなさったのかなと、勝手に思った昼下がりでした。中身の濃いトークショー、ありがとうございました!

おまけ