お芝居つれづれときどき音楽

歌舞伎のこと、音楽のこと、いろんなこと、気の向くままによしなしごとを。

2017年10月霊験亀山鉾@国立劇場

ツイまとめプラス追記、バックステージツアーのことなども。
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最後かも、と仁左衛門さんがさんざん煽るので、結局3回見てしまいました。見てわかる、そうそうかけられないという大掛かりな仕掛けの数々。本水の雨の殺し場も印象的で美しい。井戸の仕掛けも、棺桶から出てくるところも凄い。狼が出てくるところはちょっとコミカルで面白い。ところで棺桶が2個並んだ瞬間、これ絶対取り違えるやつや…!って誰もが思ったよね。布の高価さで違いに気付かせるのは成程と。

 

1回だけ、花横、ほんと真横の席で見たんです。仁左衛門さんの顔が間近に見えて、し…ぬ…!役者さんの衣装も小道具も模様も全部見える。これはクセになりそう。

孫に手習いを教えているときに孫の袖が硯につかないようにずらしてあげていたりとやさしさがにじみ出てました。孫を見てるときの目がやさしくて好き…三枚目悪役も楽しいのですが、善人役の方がほっとするー(完全に好みの話(*´-`))。

悪役のときに、身長の高さにはっと気づかされました。立ち姿が迫力ありますね。

おつまさんが正当防衛で二人殺したあたりで、わかっていたけどこの作品ほんとに死屍累々だな…と思ってしまった。南北さん…。

そういえば、源之丞様がおりきさんに言い寄られるところ、1,2回目のときは「本当は何もないのに急にそんなことを言いかけられて戸惑っている」演技に見えたのですが、3回目見たときは「廓に出入りするために実際になにやらあって、ばれてしまったのを隠そうとしている」ように見えました。後者の方が女にだらしない男っぷりが強調されてしっくりくるのですが、実際はどちらなのでしょう…?

吉弥さんのおりきさんがなんかすごくよかったなあ。挙動もしゃべりも自然なかんじ。わざとらしさが一つもない。

仇討ちの勝負受ける支度を一人でするときに、紐で袖をたくしあげる、あの一連の流れもすごく好き…口で紐をくわえるとことか…エンドレスリピートしたい。

あの笑顔可愛いんだよな…脳に焼き付いた模様。

ひたすら仁左衛門さんに萌える…73歳…

孫が挨拶するのを見て「よく挨拶できました」も気品ありつつ優しさが溢れているんです…。秀太郎さんももっと見たいなぁ。

最後に「本日はこれぎり」があります。これ7月大阪松竹座でもあったので、殺された水右衛門がむくっと起き上がっても今度は驚かなかったよ…!「本日はこれぎり」も、ある種芝居がかっていて、わたしは好きです。

バックステージツアー

に参加してきました!観劇後の興奮冷めやらぬなか、回り舞台を体験できたり、裏側を見学させてもらえてほくほく。回り舞台は結構早くてびっくり。気にせずひょいひょいと歩いていく裏方さん達がなんだか格好良かったです。これが日常ですもんね。

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舞台から見た客席。舞台前方にもライトがありけっこう眩しい。ピンスポット当たるともっと眩しいだろうなぁ。

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井戸の仕掛けは滑り台で下に降りる仕組み。想像より高さある…4~5mくらいでしょうか?頭から降りるの結構怖そう。

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真横に棺桶のセット。滑り台で降りたあと、横に移動して拵え変えて、昇降機で上がるのかな?
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上手下手の袖には背景画が天井から吊られています。

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祭りの場面で登場したカラフルな傘も翌日の出番を待っていました。

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下手側、よく見かける松の背景が。

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そして道成寺の鐘!こんな近くに常にあるのでしょうか、ちょっと面白いぞ。

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セリが口を開けたところ。大きいですね。

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黒御簾からは思ったよりも外がよく見えます。多いときは10名がここで演奏するそうで、夏は暑いとか。

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花道の真下。花道を使わないときの座席がここに置いてあるんだそう。

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すっぽんの装置。
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鳥屋、花道から出てくる時の揚げ幕の中。注意書きがちょっと面白い。御座も置いてありますね。

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ここで役者さんたちが化粧の最終チェックして出ていくのかー!となんだかどきどきします。 

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鳥屋から見た揚げ幕。裏側にもきちんと模様があるのですね。隙間から舞台を覗いて、開けるタイミングを図るのだそう。

揚幕を「しゃりん」の音と共に開けてもらい、ツアー終了。裏側を惜しげなく見せていただけて、大変楽しい時間を過ごせました。ありがとうございました。